TIMEが2014年ベストイノベーションに選んだ自分撮り用スティック、韓国では取り締まりを強化 [2014年11月28日]

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日本を訪れる韓国人や中国人の観光客が、必ずといっていいほど手に持っているのが自分撮り用のスティックである。スティックの先にスマートフォンをセットし、取っ手にあるボタンを親指で押してシャッターを切る。スティックとスマートフォンは、Bluetooth通信でつながっているものが多い。

 従来は思いっきり腕を伸ばして自分撮りをしていたが、どんなにがんばっても顔だけドアップで、背景がまったく映らないのが悩みだった。三脚を持ち歩くのは重くて不便だし、人に撮ってもらうのもなんだか恥ずかしい。

 そんなときにスティックを使えば、自分がきれいに映る角度やズームを好きなように調整できる。より遠くから自分撮りできるので、誰かに撮ってもらったかのように背景も入り、顔だけ大きく映ることもない。集合写真も楽しくラクに撮れる。

 韓国では自分撮り用スティックを「セルフカメラ棒」、略して「セルカボン」と呼ぶ。ネットショップで検索すると数百件以上の商品が登録されてあり、値段も機能も豊富すぎて選ぶのが大変だ。日本でもAmazonで検索すると、スマホ自撮り棒、セルフィースティックという名前で販売していた。




韓国の大手ショッピングサイト「Gマーケット」で販売されている自分撮り用スティック(セルカボン)

 米TIMEは2014年11月20日、「The 25 Best Inventions of 2014」の一つに、この自分撮り用スティックを選定した。米国ではこのスティックのことを「The Selfie Stick」と言うそうだ。

 SNSが流行ると、欧米でも「Selfie(自分撮り)」が人気となり、自分撮りに必要な道具もヒットしているようだ。SNSに実物よりきれいな自分撮り写真を載せたがるのは、韓国も米国も変わらないのだろう。韓国の方が、自分撮りした写真だけ別人のようにきれいな自分撮り名人が多い気がするが、「自分撮り」を取り巻く市場が拡大していることは世界共通と言える。

 韓国のスマートフォンアクセサリー市場では、裏にクレジットカードを差し込んでおサイフケータイぽっく使えるスマホカバー以来のヒット商品で、中国産も数多く輸入されている。


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趙 章恩=(ITジャーナリスト)
日経パソコン
-Original column

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